私のエセルとアーネスト
昨夜からアマゾンプライムで見た映画『エセルとアーネスト』
私には、主人公たちが大好きな自分の祖父と祖母のように思え、身内の人生そのものを見ているような気持ちにしかならず、喜んだり悲しんだり笑ったり考えさせられる作品でした。
エセルとアーネスト。
都内の閑静な住宅街で比較的大きめなお屋敷。
手入れの行き届いた花で溢れかえるお庭。
クラシック音楽が目一杯楽しめる大きなオーディオとアップライトピアノがある地下室。
ダークブラウンで統一された英国調の家具。
壁に飾られた高そうな額縁に入れられた素敵な絵画。
蔦と花が絡んだアーチが佇む中庭。
ほのぼのと日向ぼっこができる大きなベランダに置かれたお洒落なテーブルと椅子。
アンティーククラシックなカーテン。
素敵で豪華な絨毯。
上品で前向き、頭の回転が速くよく笑い運動神経抜群で母のようでおしゃれなバーバー。
堅実的で真面目一貫、大切なものを長く使い何より孫に存分の愛をくれたジージー。
2人は家にいる時でも、いつも素敵な格好をしている。
バーバーはタイトスカートにツヤツヤしたブラウス、時にブローチもつけたり、袖留めもゴールドで素敵。センスの良いエプロンを何着も持っていて、それを着こなせるバーバーが本当に素敵。
ジージーはピシッとアイロンのかかったワイシャツにスーツの下のズボン。ベルトは決まってグッチだ。大切にそうにいつもペンとラジオを持ち歩き、株と競馬の動向をいつも欠かさずチェック。時折りリビングにあるパソコンで麻雀をして、私に見せてくれたりもした。
食後は決まってバーバーの入れ立てのコーヒーをみんなで飲む。
ジージーバーバーのお洒落なコーヒーカップと砂糖壺。一つ一つにセンスしか感じられない、そして思い出も語ってくれる。物を大切にして長く使うということは、この2人から学んだ。
バーバーは刺繍とガーデニングが趣味。英国の湖水地方のお屋敷のお花の洋書をよく買い、その写真を参考に素敵な刺繍を何枚も作ってる。週一回程度、お教室も行っていたが先生がご高齢とのことで最近はもっぱら自宅で自習。
色とりどりの花。センス良く配置された花。花に限らず、どんな刺繍もセンスがいい。大好き。
とある時、2人で近くのカフェでやっていたドライフラワー教室に行き、2人でさくさく作り、居間に飾った。私のはとにかく量がすごいのに対し、バーバーはバランスを考えた美しい作品であったのを思い出す。何においても、バーバーはセンスがある。
お出かけのお洋服、お靴、お鞄だってそう。全てがトータルコーディネートで季節感もちゃんと加味してる。私の年齢でもバーバーとモノを共有できるくらい、年齢を問わない素敵なモノを集められる。それが似合うバーバーがすごいと思う。
ジージーは、本当に優しい笑顔で孫を見つめてくれる。菩薩のような顔で、ニコニコしすぎて目がないくらい。
はーいいってらっしゃーい、とリビングのソファーに座っていつも見送ってくれて、たらいまーと帰ってくると同じ場所ではーいおかえりー、と出迎えてくれた。
時折り反抗期で反抗したにも関わらず、いつも優しかった、ごめんね。反抗期なんて、ならなきゃよかったのに。本当にごめんね。
自慢で、大好きで、2人には一生生きていてほしいとすら思う。私より長生きしてほしいと思う。